私は港区芝の地で、12年間保険診療を行なって参りました。
「森を診て木を診る」診療をコンセプトとして、およそ2万5千名の患者さんに対して、寸暇を惜しんで日々診察を続けてきました。おかげさまでこの大都会のど真ん中で『村の診療所』的な役目は十分果たしてこられたと自負しております。しかし、そういう中で、現在の保険診療ではなかなか満足のいく治療効果が得られない疾患や病態があることに頭を悩まされてきたのも事実です。どうにかして少しでも患者さんが元気になって、快方に向かう手段はないかと模索しておりました。
元々は日本、タイ、アメリカでがんの研究に従事していましたが、その関係で数年前に脂肪幹細胞の培養をするために、脂肪組織を採取するお手伝いをしたのがきっかけで、出逢ったのが再生医療だったのです。
それから、準備を積み重ね、念願の再生医療クリニックを六本木に開設することになりました。当院は、龍土町美術館通りという並木のきれいな石畳の道沿いにあって、目の前に古式豊かな天祖神社の緑あふれる落ち着いた雰囲気と、隣りに国立新美術館や政策大学院大学のアカデミックな雰囲気の両方を感じられる空間に囲まれています。
ちなみに犀星の杜の「犀星」は室生犀星と再生を掛けておりますが、目を閉じると犀のイメージカラーであるラベンダーグレーに染まる夜明けの空に、星が瞬いている情景が浮かぶのです。まさに、生命の始まりを予感する瞬間であります。諦めかけていた貴方、やっと出逢えた再生医療がここにあります。
早速ですが、現在当院で行なっている、あるいは予定している再生医療についてご説明します。