上記治療を行っても、進行性に肝線維化が進行するNASHや肝硬変の状態の患者さんに行います。幹細胞はほとんどが肺の血管にトラップされ、一部が肝に到達します。その場で幹細胞は成長因子やサイトカインの産生および免疫調節を介して、障害された組織の再生を促進すると考えられている。また持続的に分泌される線維溶解サイトカインやエクソソームにより、線維化組織が溶解し、肝微小環境が改善して肝再生がさらに促進される機序も想定されている。新潟大学、金沢大学、山口大学などが肝硬変症に対する間葉系幹細胞治療の有効性を示すエビデンスを公表しています。
脂肪組織採取
•局所麻酔下に切開して、下腹部の脂肪組織を1~2g採取します。創縫合は吸収糸で行います(抜糸の必要なし)。
•厚生労働省で認可された細胞培養施設で、脂肪幹細胞を培養します(約1か月)。
•脂肪幹細胞の点滴(30分から1時間)
幹細胞の量によって、点滴時間が変わります。
•治療後、1か月、3カ月目に肝機能検査、画像検査を行い、治療効果を判定し、治療方針を検討します。