PFC-FDとは、「Platelet-derived Factor Concentrate Freeze Dry」の略称で、日本語にすると「血小板由来因子濃縮物凍結乾燥」になります。患者さん自身の血液による自己修復機能を活用する再生医療であることは前出のPRP療法と違わないのですが、決定的に異なるのはPFC-FDには血小板が含まれません。その代わりにサイトカインが2倍に濃縮され抗炎症作用や組織修復作用がより期待できるものとなっております。PFC-FDを傷ついた箇所に注入することで自己修復機能を促し、痛みの軽減や傷ついた箇所の治癒を目指します。この治療の一般的なメリットは患者さんご自身の血小板から抽出した成分を注入するためアレルギーなどの副作用が少ないことです。また、PRPは凍結保存ができませんが、PFC-FDは一回の採血で複数回の治療が可能な量を確保でき、しかも約6か月の凍結保存が可能であるため、いつでも好きな時に治療が受けられます。ただし、採血してから精製までに3週間かかるため、PRP療法のように当日の治療(精製に1時間半ほどかかります)はできません。デメリットとしてはサイトカインの一部に炎症反応を誘導するものが含まれますので、注射による一般的な副作用(痛み、赤み、腫れなど)が起こる可能性はありますが、直接の害はありません。また、自己修復力に依存しているため、うまく修復プロセスが働かない場合があり、その治療効果に関しては個人差があります。