I.がん免疫療法 ~マクロファージ活性化療法~

第4世代Gc-MAFを用いた新しい免疫療法

マクロファージとは体を外敵から防御する白血球の中の約5%を占める免疫細胞で、生まれながらに備わった免疫(自然免疫という)を司る主要な細胞です。自然免疫と言うのは、今まで一度も出会ったことのない細菌やウイルスに対しても攻撃を仕掛ける体の防御システムです。おそらく、人類の長い歴史の間に、人体に有害な微生物に共通する蛋白の構造を認知する受容体を獲得してきた結果と思われます。この細胞の能力は、年齢とともに減弱することが、歳を取ると感染症に罹りやすくなる一因と考えられています。マクロファージにはその他にがん細胞を貪食したり、TNF(腫瘍壊死因子)などの炎症性サイトカインを放出し、がん細胞をアポトーシスに誘導したりする作用も持っています。このような働きを持つマクロファージを活性化し、がん治療に応用する研究が進んでいます。
当院でも、NK細胞療法以外に、マクロファージ活性化療法に注目し、治療の困難ながん患者さんに提供することを始めました。

マクロファージを活性化する物質として、1991年に日本の山本信人先生が第一世代のGc-MAFというタンパクをヒト血清内から発見しました。その後、安定性が高く、濃度の高い第二世代Gc-MAFが開発されましたが、ヒトの血液を用いるため、安全性の問題や投与経路が皮下、筋肉、静脈注射に限られることから、その後、経口可能な第三世代Gc-MAFが開発されました。第三世代は血液を使用せず作製できることから、感染などの危険性がなく、現在の主流になっています。ところが最近になって、マクロファージに抗腫瘍型のM1マクロファージと免疫抑制型のM2マクロファージが存在することが解ってきました。後者には炎症後の組織を修復する働きや、抗炎症作用があります。したがって、老化の進行を抑え、より優れたアンチエイジング効果を期待するのであれば、M2マクロファージを活性化するのがいいのですが、腫瘍内で病状の進行とともにM2マクロファージが優位になっていきますので、腫瘍血管の新生や免疫抑制されることにより、腫瘍が増大してしまうのです。むしろアンチエイジングには敵のM1マクロファージの活性を高めて、腫瘍を攻撃していかなければなりません。第三世代Gc-MAFにはM1,M2マクロファージ両者を区別なく活性化してしまうので、抗腫瘍効果が期待されたほどありませんでした。そこで、新たに開発された次世代型Gc-MAF(第四世代Gc-MAF)はM1マクロファージを副作用が出ない程度に活性化し、抗腫瘍効果を発揮するようにしたのです。当院ではこの第四世代Gc-MAFを導入して、NK細胞療法と併用することで、がん患者さんの免疫能を向上し、がんの進展を抑えることを目標とした治療を提案しています。

治療スケジュールと費用

マクロファージ活性化療法(第四世代Gc-MAF療法)

内容 2回/週で経口投与
期間 がん治療 3カ月を1クール(2回/週で投与)
費用 1バイアル 8万円(税別)
がん治療 24バイアル(1クール)  192万円(税別)
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