犀星の杜がん治療
II. がんDNA修復(リプログラミング)治療
-犀星の杜クリニック六本木の新しいがん予防、治療法-
がんは遺伝子の異常によって生じる病気ですが、その一つの原因としてがんの発生や進行を抑制する遺伝子の一部に過剰なDNAメチル化という変化が生じることにより、がん抑制遺伝子の発現が抑えられ、ある種のがんの発症や進行が促進されることが報告されています。また、DNAメチル化はクロマチン構造や細胞周期、DNA修復を司る遺伝子に多く見られるため、DNA修復が正常に進まず、発がんリスクが高まる可能性があります。最近では肝がんの前がん状態を、DNAメチル化を指標として把握する方法が注目されています。このDNAメチル化を正常状態に戻し、異常なDNAを修復することでがんを治療します。
また、この修復剤は、DNAから見つかった特定の「miRNA(マイクロRNA)」を活性化することで、がん細胞にアプローチする新しい方法です。miRNAは体内でたんぱく質の生産を調整する「スイッチ」のような役割を持つ小さな分子です。この治療では、特定のmiRNAを自分の細胞内で活性化(発現誘導)することで、がん細胞をiPS細胞にリプログラミングして、がん細胞を弱悪性化したり、正常な細胞に戻すことで、やがてアポトーシスに移行し、がんの低悪性度化や消滅を目指します。また、この特定のmiRNAはがん抑制遺伝子であるp53遺伝子をアップレギュレーションし、がん細胞のアポトーシスを誘導します。
以下の2つの作用が確認されています
1. がん細胞のリプログラミング:細胞を元の健康な状態(正常)に戻すこと。
2. DNA修復: DNAのメチル化異常を修復し、細胞の正常な働きを取り戻すこと。
この技術は「メチル化関連酵素HAT1とKAT8の阻害薬」として特許(特許第7189587号)を取得しており、がん細胞に対する効果が確認されていますが、未承認の治療法ですので治療効果について証明されているものではありません。
治療の効果
進行したがんや悪性度の高いがん細胞に対して、次のような効果が期待されています。
- がん細胞の死滅:特に治療が難しい悪性度の高いがんに感受性が高い。
- 正常ながん細胞への転換:リプログラミングにより、がん細胞を正常な細胞に変える。
- 免疫機能の向上:DNAメチル化の異常は免疫疾患の原因となることがあり、メチル化したDNA修復によって免疫力を高め、体の防御力を強化する可能性。
治療の安全性と効果を確認するため、以下の検査を行います。
1.血液検査
・腫瘍マーカーの測定やmRNA検査(遺伝子検査)を実施。
・mRNA検査(TAQ検査参照)は、体の状態を早い段階で評価できる先進的な検査 方法です。
2.画像診断
・必要に応じてCTやPET-CTなどの検査をする場合があります。
使用する薬剤について
治療では、「塩化ベンゼトニウム」または「ベタキソロ―ル塩酸塩」というお薬を使います。塩化便背トニウムは喉の消毒に使用されますが、非常に低濃度なので人体への重篤な影響は報告されておりません。一方、ベタキソロール塩酸塩は、主に「緑内障(りょくないしょう)」や「高眼圧症(こうがんあつしょう)」という目の病気の治療に使われる目薬の成分です。ベタキソロールは「眼圧(がんあつ)」を下げることで、視力の低下を防ぐお手伝いをします。副作用が比較的少なく、心臓や呼吸への影響が少ないのも特徴です。この治療では通常の使用量よりもはるかに少ない量を使用します。この薬が体内でmiRNAの働きを高め、治療効果を引き出します。週に2回(0.1 mg以下)の点滴で2~3か月間を1クールとして使用します。
動物実験で報告されている文献【学術論文】
高額治療に代わる可能性
新しいがん治療への期待
本治療は、進行したステージ3~4のがん、特に悪性度の高い低分化がんや未分化がんに対して、新しい選択肢を提供するものです。がん細胞を弱めたり正常な細胞に戻したりすることで、これまでの治療が難しかった症例にも希望をもたらす可能性があります。また、がん細胞の死滅を促すP53というたんぱく質の働きを高める効果も期待されています。
進行がん以外では、この治療は、副作用が少ないため、全身状態の低下した次のような患者さんも対象となります。
1.従来の治療法が効果を示さず、治療手段がないと診断された方。
2.緩和ケアのみを推奨された方。
ただし気を付けていただきたいのが、この治療はヒトでの治験は始まっていますが、まだ臨床研究を経ておらず、厚生労働省の承認を受けていないため、自由診療として実施されます。そのため、治療効果を保証するものではありません。
まとめ
この治療法は、がん細胞に対して新たな可能性を切り開く先進的なアプローチです。細胞をリプログラミングして正常な状態に戻し、免疫力を高めることで、これまでの治療で難しかった進行がんへの効果が期待されています。
DNA修復リプログラミング治療の副作用について
今回の治療で使用する「塩化ベンゼトニウム」または「ベタキソロ―ル塩酸塩」には、さまざまな有益な作用がある一方で、副作用が発生する可能性があります。以下は、主な注意点です。
1. 目のかすみや軽い刺激感
2. 目のかゆみや充血、特に塩化ベンゼトニウムは全身のかゆみ
3. まれに頭痛やめまい
4. ベタキソロ―ル塩酸塩は心臓の薬でもあるため、まれに脈が遅くなることもあります
費用
この治療は保険が適用されない自由診療となります。費用は自己負担となりますので、事前にご確認ください。
DNA修復リプログラミング剤(塩化ベンゼトニウム)
| 内容 | 1回1バイアル3mlを50mlの生理食塩水に加え、53mlを点滴 |
|---|---|
| 期間 | がん治療 3カ月を1クール(2回/週で投与) がん以外治療 2か月を1クール(2回/週で投与) |
| 費用 | がん治療 30バイアル 180万円(税別) がん以外治療 20バイアル 120万円(税別) |
DNA修復リプログラミング剤(メトプロロールorベタキソロール塩酸塩)
| 内容 | 1回1バイアル3mlを50mlの生理食塩水に加え、53mlを点滴 |
|---|---|
| 期間 | がん治療 3カ月を1クール(2回/週で投与) がん以外治療 2か月を1クール(1回/週で投与) |
| 費用 | がん治療 30バイアル 260万円(税別) がん以外治療 20バイアル 173万円(税別) |
