前章で脂肪肝の早期治療の重要性を述べましたが、現在、有効な治療法はありません。特に脂肪肝は無症状なことが多く、運動・食事療法を行うモチベーションも上がらないので、気が付いた時には糖尿病や動脈硬化症、高血圧症といった生活習慣病を発症してしまいます。これらの疾患は治療薬があるので、罹っても何とかなるのですが、脂肪肝が進行して脂肪性肝炎になってしまうと、治療薬も無く、ただ肝硬変になってしまうのを、指を加えて待っているだけとなります。従って、脂肪肝から脂肪肝炎への移行を早く察知し、未然に防ぐことが肝心です。その察知するツールがフィブロスキャンという超音波検査機器です。肝臓の線維化による硬さと肝脂肪量を定量的に評価し、脂肪肝炎の状態を予測します。例えば、健康診断の数値でGOT(AST).GPT(ALT)と血小板数、年齢でFIB-4 indexという肝臓の線維化を大まかに推測する指標があります。計算法は「肝臓ドットコム」などのサイトに掲載されていますので、参照ください。この数値が1.3以上であれば、肝臓の線維化が進んでいる疑いがありますので、フィブロスキャンによる精密検査を受ける必要があります。当院では都内に数台しかない本検査機器を用いて、肝臓ドックを施行しております。FIB-4indexが1.3以上の方以外にも日頃、肝臓を酷使している方、健診で肝臓の数値に不安のある方にも検査をお勧めしています。お問い合わせください。

犀星の杜クリニック六本木