非アルコール性脂肪性肝炎の状態を治すのは、今のところ痩せるしかありません。痩せるといっても、どのくらい痩せればいいのでしょうか。標準体重に近ければ近いほどいいと思われますが、身長170㎝で90㎏ある方は20㎏以上痩せなければなりません。20㎏は途方もない数値に感じますよね。始める前からモチベーションは下がってしまいます。いきなり痩せるのはよく言うリバウンドもありますので、通常は体重の3%、90㎏の方でしたら、2.7㎏です。1~2か月程度で達成できたら、また3%を目標に減量します。大体、7%減ると肝機能や糖質、脂質の数値が改善してくると言われています。体の代謝が改善してくるんですね。そうなれば面白いように体重は減っていきます。減量のきっかけさえ掴めれば、そんなに苦労はいらないと思われます。そんなきっかけづくりに、肥満治療薬であるGLP-1注射があります。GLP-1は元々小腸から分泌されるホルモンですが、通称「やせるホルモン」と呼ばれ、食欲を抑え、脂肪を分解し、基礎代謝を上げることによって、体重が自然に減少します。副作用は吐き気、悪心ですが、それが却って食欲を減退させるので、ある意味いい副作用ということになります。一日一回、皮下に自己注射します。約半年ぐらい続けると効果が表れ、文献報告上は平均8.4㎏減ったそうです。本薬は医師の管理の元、処方されるべきで、しかも保険が利かないことをご承知ください。

犀星の杜クリニック六本木