ある脳科学者が「六十五歳ぐらいを境に、九十歳代、百歳代になってもはっきりしている人と、だんだんフワフワした感じになってくる人とに分かれてくるんです。脳の容量自体もCTとかMRIで撮ると、萎縮が急速に進行する人と、比較的ゆっくりな人がいます」と指摘している。特に、脳の前頭葉機能が衰えてくるため、新しいものに対する好奇心が薄れていくそうだ。このような症状を自覚したら、脳は老いて来始めていると考えた方が良さそうだ。1990年代に発見された、サーチュイン遺伝子が老化を抑制することがわかり、その遺伝子の働きを活性化するのがNAD+という補酵素と判明した。つまり、脳の老いも加齢とともに減少していくNAD+が原因であるため、それを補充すれば老いは防げるのである。NADそのものは消化管で分解され体内に吸収されないため、体内でNADに変換されるNMNで摂ることになる。NMNは緑黄色野菜などにも含まれているが、ごく微量のため、サプリメントとしてとることが有効とされている。認知症にならないためにも、NMNはお勧めのようだ。60を過ぎた私も飲んでいる。

犀星の杜クリニック六本木