幹細胞上清液とがん治療
一般的に幹細胞の上清液は細胞増殖を促すサイトカインが含まれているため、がん患者さんへの使用は避けられています。しかし、上清液には細胞を自然死(アポトーシス)させるサイトカインや免疫能を上げたり、炎症を抑えたりするサイトカインも多く含まれているので、条件さえ合えばがんの治療にも有効であると考えております。私どもはヒトがん細胞株を用いて、上清液ががん細胞の増殖を促すか否か、実験的に検証してみました。結果はおおよそのがん細胞で増殖を抑制するものでした。別の上清液を用いたところ、がん細胞は増殖傾向を示したので、私どものプロトコールで作製した上清液は、がん患者さんに対しても安心して使用できると考えております。実際、広島大学(乳がん、子宮頸がん)、千葉大学(乳がん)。国立がん研究センター研究所(肝がん)ではエクソソームに含まれるmiRNAにがんの進展や転移、発生を抑制するものがあると報告しています。その作用機序としては、全身の免疫能を向上し、がんの進展を抑えること、疼痛がある患者さんでは痛みを抑制し、痛み止めの使用量を減らすこと、がん細胞のアポトーシスを誘導し、腫瘍を縮小させるなどが考えられています。その結果、機能の低下した臓器が回復し、がんに打ち勝つ環境を作ります。がんの治療が満足な結果でない、期待した効果が得られない方はまず、自分の免疫能を活性化する治療を検討してみてはいかがでしょうか。当クリニックはそのようなお悩みを持つ方々をサポートしたいと考えております。
犀星の杜クリニック六本木