京大の研究生
先日、某テレビニュース番組で、彦根中央病院の脳外科の先生が神経移植の研究で大発見をしたことが報道されていました。身分は京都大学の研究生ということです。しかも年齢が65歳ということですから驚きです。変性してしまった神経は瘢痕化し(硬くなってしまう)、神経再生が困難なため、神経細胞を移植して再生を起こそうという研究を10年以上していたそうです。硬くなった神経に細胞を注入して何度も試みたそうですが、神経は再生しなかったそうです。今回は発想を変えて、神経細胞を瘢痕組織の周囲に付着させたところ、神経細胞が硬くなった神経組織の中に伸びて神経が再生したそうです。損傷した聴神経で動物実験を行ったところ、聴力が回復したということです。この知見は今トピックの再生医療に応用できるもので、画期的だそうです。私が興奮したのはその内容ばかりでなく、彼の年齢と身分に対してです。現役の医師をしながら、研究生という身分で研究を続ける忍耐力に感服します。研究する時間を作るのも大変ですし、研究費を捻出する努力も凄まじいものがあるでしょう。いや、あるはずです。他はわかりませんが、大変尊敬します。自分は今、忙しさにかまけて研究が滞っているのが実情です。大変勇気づけられたニュースでした。
犀星の杜クリニック六本木