ヒトの役に立つ研究
今年も昨年に続いて、ノーベル賞受賞で日本中が沸いています。医学・生理学賞を受賞された大村先生は「人の役に立つ研究」を心掛けていたそうです。彼は、実験のほとんどが失敗で、たまに驚くほどうまく成功するのがたまらなく楽しいと言ってました。確かに基礎研究というのは結果がでるまで試行錯誤や無駄が多いと思いますが、それを諦めずに真理を追究し続ける精神力がすごいです。私も純粋な基礎研究とまではいかないまでも、気の遠くなるような数の検体を用いて結果を導き出す研究をしていましたが、タフでなければできません。更にそれをやり続けるという精神的余裕や経済的余裕も持ち合わせてなければなりません。研究費も必要です。昨今は研究費も財政難で潤沢にあるとはいえない環境で、このような地道な研究を続けることは大変なことです。アメリカなどでは事業で成功された方が基礎研究に莫大な投資をして、研究を支えています。日本ももっと社会全体で支えて行かないと、ノーベル賞級の研究者が日本から輩出されなくなってしまうかも知れません。コツコツと努力してきた日本人研究者がノーベル賞を受賞しました。おめでとうございます。
犀星の杜クリニック六本木