妊婦さんが医療機関を受診した際に医療費が加算される「妊婦加算」は、妊婦差別の批判が相次ぎ平成31年の1月から事実上廃止になりました。この話は医師会に所属していない当院にとっては、寝耳に水の話でありまして、非会員には周知されていなかったと思います。知らなかったから損をしたというのではなく、厚労省と医師会が国民に周知せずに診療報酬を決めているという構造が明るみになったということで、医師会に対する不信感が国民の間に広まったのではないでしょうか。そもそも、妊婦さんだから手間がかかるとか、やっかいだということから加算をつけるようにしたという理由が呆れてしまいます。医師として妊娠中の生理反応が通常と異なることを理解するのは当たり前だし、質問された時に答えられなければなりません。そこに料金が発生するのはどうみてもおかしいです。加算をつけなければ診ない、責任を取れないというのは裏返せば、妊婦加算を取らないので、診察はしないという事なかれ主義に通じる可能性があります。訴訟の多い世の中でありますので、護衛手段なのかも知れませんが、医師のレベルを将来的下げてしまう悪法であることは間違いなかったでしょう。当院は今までどおり、相談があれば診察しますので、ご心配はいりませんよ。

犀星の杜クリニック六本木