ちまたのエクソソームって?
最近、皮膚科や美容外科の間でエクソソームを用いたお肌の若返り治療が行われています。このエクソソームは当院で扱っている幹細胞が分泌する小胞のことをいいます。この中に主にマイクロRNA(miRNA)という非常に短いRNA(遺伝情報を伝えたり、アミノ酸を運んだりするリボ核酸)が含まれています。このエクソソームは細胞間で情報をやりとりしていることがわかっています。たとえば、肌を構成するケラチノサイトと呼ばれる細胞は、紫外線を浴びると、エクソソームを分泌します。すると、それをもうひとつの細胞メラニン色素細胞が受け取り、今度はメラニンという物質を分泌します。このメラニンは肌を紫外線から守り、肌の老化、しわやたるみを防ぐことがわかっています。エクソソームを皮膚に局所投与して、肌の若返りや美容に良いというのはこのような理由が一つにあるからです。また、頭皮に投与すると、毛母細胞を刺激し毛髪再生効果も期待できることが分かっています。ただし、エクソソームの全身投与に関してはまだ十分な臨床データが揃っていないようですので、その効果はまだ検討中であります。当院の脂肪幹細胞培養上清液中にも当然、エクソソームは含まれていますので、例えば上清液を局所注射することにより脱毛症や薄毛の治療にも応用されています。更に良いことに上清液には細胞増殖因子や血管新生因子もあり、これらが相乗に作用し発毛促進、脱毛抑制効果を示します。
犀星の杜クリニック六本木