私たちの体はたくさんの種類の細胞(体細胞)によって形作られ,それらがもつ固有の機能が寄り集まって恒常性を維持しています.体細胞には寿命があり,役割を終えた細胞は新たな細胞に置き換えられます.そのスピードは組織によって異なっていて(表2).特に,肝臓では,肝細胞が障害を受けると細胞数が激減しますが,通常3日目から再生が始まり、3か月で約80%が修復され、残りが約半年から1年掛かって再生すると言われています.脂肪肝などで傷害を受けたあとの肝機能回復までには約1~3か月が目安とされています。一方,心臓を動かしている心筋や卵巣に含まれる生殖細胞の卵子は,生まれた後に増えません.このことは,あらゆる組織には,固有の特性をもつ細胞供給源があることを示しています.組織の中で生命活動の維持に必要な体細胞を供給している細胞を,体性幹細胞または組織性幹細胞といいます。現在、これらを用いて組織の再生を図る治療が行われています。組織再生の観点からすると、肝臓などは1回目の治療後3カ月目に肝再生の程度を判断して、2回目以降の治療を考慮するのが良いと思われます。

体性細胞の再生について

犀星の杜クリニック六本木