既にニュースでご存知の方が多いと思いますが、はちみつによるボツリヌス菌食中毒のため幼い命が奪われました。はちみつの中にボツリヌス菌の芽胞(ひらたく言うと、さなぎみたいなものか)が5~10%含まれており、乳児の腸管内に入ると芽胞が発芽して生菌となり毒素を産生することが解っております。大人では発達した腸内細菌叢のお陰で、芽胞は発芽しないらしいのです。芽胞は加熱しても死滅しませんので、温めても無効です。1987年に当時の厚生省から「1歳未満の乳児にははちみつを与えてはならない」旨の通達が出されております。医学部を卒業してもそんなことを勉強した覚えはなく、先日、はちみつに関して記載した時に知ったものです。でも、世のお母さん方はとっくに知っていたそうです。黒糖にも含まれていることがあるそうです。はちみつは免疫能をアップするので体にいいと言って、子供、特に乳幼児に与えるのは本当は恐いことなのですね。大人では影響がないということなので、今まで通り摂取して健康増進を図ってください。

犀星の杜クリニック六本木