一口に脱毛症と言っても、原因も様々ですし、男女の違いでも異なりますので、治療も複雑なように見えますが、実は単純に(こう書くと、長年関わって来られた方に叱られますが)脱毛の抑制と毛髪の増殖に行きつきます。脱毛は原因として、男性ホルモンが関係している男性型脱毛症、いわゆるAGA(androgenetic alopecia)や女性更年期に女性ホルモンが低下して、男性ホルモンが相対的に増加してくると男性型と同じような脱毛が起こる女性男性型脱毛症が最も多いです。女性の場合はAGAの薬(フィナステリド、デュタステリドの類)は効かないとされていますが、ミノキシジルは局所血流促進と毛母細胞(毛の素)の活性化作用により、効果があるとされています。その他、抗がん剤や放射線治療後の脱毛症や円形脱毛症、原因不明の休止期脱毛症などにも同様の薬剤が効くとされていますが、毛母細胞のダメージが大きい場合は更に、幹細胞の培養上清液の皮下注を併用する方法があります。この上清液には細胞増殖に関連するサイトカインがいろいろと含まれますので、毛髪の再生増殖が期待されます。薬物療法で満足した結果が得られない方は、あらゆる脱毛症に適応があるサイトカイン療法を一度お試ししてみてはいかがでしょうか。

犀星の杜クリニック六本木